「でも、また作るよ!」
しかし、そう言って天音は顔を上げ、また京司の方を真っすぐと見た。
「妃になって、また村を作るよ。」
そう言って彼女は少し、苦しそうに笑った。
少し離れていた間に、彼女はどれだけ辛い思いをしたのだろうか…。
天音のその表情が、それを物語っていた。
「私決めたんだ…信じるって…。」
「…何を……?」
その苦し気な表情を消した天音は、今度はゆっくりと目を閉じ、噛みしめるように言葉を紡いだ。
…やっぱり君は…。
「自分…。」
…俺にはまぶしすぎる…。
京司は目を大きく見開いて、天音の真っすぐな瞳を見つめた。
「自分を信じるって…。」
天音もまた、その強い瞳を京司に向けていた。
ザ―
今はこの冷たい風がなんだか心地いい。
「天音…。」
「ん?」
「俺にも何かできる事あるのかな…。」
誰かに言って欲しかったんだ…。
「あるよ。」
そして君は真っすぐ俺を見てそう言う。

