何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】


「やっぱり、探してくる!!」

天音は何が起こったのかわからないまま、部屋で悶々と過ごしていたが、突然立ち上がり、そう叫んだ。
彼女も、何故か胸騒ぎがして、居ても立っても居られなくなったのだ。

それは失くしてしまったピアスのせいか、それとも…。

「え、ちょっと!」

華子は、さすがにそれはマズイと思い、天音を止めようとした。
しかし、華子の忠告を聞くより前に、天音は扉の外をこっそり覗いた。
どうやら、今は外には誰もいない。
まるで何事もなかったように、辺りは静まり返っていた。

「大丈夫。もう兵士の人もいないし。」


そう言って天音が華子に笑いかけた。