何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】


「ま、まちーや。わいはてっきり天音が赤ん坊の頃にジャンヌが死んで、その村に預けられたんやと思っとった!」
「ジャンヌが死んだのは、天音が5才の時だった。ジャンヌが死に、私が天音をこの町から連れ出した。まあ、その頃の記憶がほとんどないのは、わかるが…。」
「え?おっさんが?」

りんは、次々と明らかになる真実に、大声を発せずにはいられない。

「ああ。ジャンヌが死んだ後、中月町の教会に天音を預けた。」
「…んなアホな話…。」

辰から語られた話に、りんは大きく目を見開き固まった。
そこには、天音の言っていた輝夜村というワードは一切出ては来ない。

一体全体どうなっているのか?
りんは、困惑するしかない。


(どこで違った…。
どこで掛け違えた…?)