「まね…。あまね、天音ってば!!」
「え…?」

華子が天音を呼んだ。
その声で、やっと天音は目を覚ました。

「窓開けっ放しで寝てたら、風邪ひくよ。最近寒いんだから。」

そう言って、華子は窓を閉めた。

(あれ、いつの間に寝ちゃったんだろう…。)

天音は、まだ寝ぼけ眼のまま、目をパチクリさせている。

「あれ?取っちゃったの?」
「へ?何が?」

まだ、頭がボーっとしてる天音は、華子の言っている意味がすぐには理解できずに、首を傾げた。



「あの十字架のピアス。」

「———え…?」