「また、僕の出番?」
青がゆっくりと口を開いた。
「ええ…。」
その青の問いに、かずさがゆっくりと頷いた。
以前は天音の定位置であってたその椅子は、いつの間にかかずさの定位置になりつつある。
「天音は前に言ってたよ。神様を信じるって…。」
「…。」
すると何故か青が、唐突にそんな事を口にした。
しかし、かずさはいつも通りの涼しい顔のままで、返答はない。
「よかったね…。」
夕日の赤い光が、今日はカーテンの開けられた窓から、青の部屋に入り込んでいた。
時刻は夕刻…。
城も夕日の赤に染まろうとしていた。
————もうすぐ黄昏時…。

