授業中
「黄昏時《たそがれどき》この言葉の意味は…。」
「ZZZ」
授業中だというのに、めずらしく天音は、机に突っ伏して居眠りをしていた。
幸い先生には、まだ見つかっていないようだ。
「天音が居眠りなんて、めずらしいね。」
そんな様子を横でそっと見守っている華子が、小声で星羅にささやいた。
天音が授業中に居眠りをしたのは、これが初めて。
天音は華子とは違い、授業は真面目に受けていた。
「…。」
そんな天音の姿を、星羅はただじっと見つめていた。
「夕暮れの時間帯。人の顔の識別がつかない暗さになった頃。誰そ彼、誰ですかあなたは?と問う時間の事を言います。」

