「反乱軍の者達を捕らえた!」
その日、城の前では、兵士が声を高らかに上げていた。
「さすが城の兵士だな。」
「反乱なんてバカな事を考えるもんじゃない…。」
反乱軍討伐軍によって捕らえられた者達が、次々と城へと連行されていた。
町民達はそんな様子を見て、次第に複雑な心境を持ち始めていた。
「反逆者は明日、死刑となる!」
「怖いわね…。」
そう。歓声の中には、そんな恐怖の声も聞こえた。
反乱軍討伐軍を称える声もあれば、国に反発する者が、簡単に殺されてしまう。その現実に恐怖を感じる者もいる。
「…。」
りんはその様子を、黙って見ている事しかできなかった。
昨日シドは辰と話を終えて、そそくさと帰っていったばかりだった。
仲間達の事を気がかりに思っていたのだろう。
「反乱軍のリーダーも、こうなるのかしら?」
「え?」
りんがその声に振り返り、少し視線を落として見せた。
その先には、みるかが不敵に笑っていた。
「バカみたい。」
「なんや、また嬢ちゃんかいな…。」
「自分達がこうなるのに。」
そして、みるかは、その憎しみにあふれた瞳を城に向けた。

