「誰…?」
誰かが天音に手を差し伸べた。
しかし、その顔は見えず、天音は目を細めその人物を確かめようとした。
その手は天音の手よりも大きな手。
天音は、その手をどこかで見た事があるような気がしてならない。
「天音!早く!」
「え…?」
そして天音を呼ぶその声に目を大きく見開き、顔を上げた。
「生きるんだ!!」
彼が必死に叫んだ。
「私…。」
「お前だけでも!」
「私だけ…?」
「そうだ。生きろ。」
「いや…いやー!!死なせてー!!」
ハッ!!
天音は布団をはぎとり、思わず飛び起きた。
「はぁ、はぁ、夢…?」
額には汗がしたたり、心臓がいつもより早く脈打っているのが、はっきりと分かった。
天音はこの所、毎朝のように夢にうなされて目が覚める。
なぜ、毎日このような不可思議な夢を見るのか…。
それは天音には見当もつかなかった。

