何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】



「誰…?」

誰かが天音に手を差し伸べた。
しかし、その顔は見えず、天音は目を細めその人物を確かめようとした。
その手は天音の手よりも大きな手。
天音は、その手をどこかで見た事があるような気がしてならない。

「天音!早く!」
「え…?」

そして天音を呼ぶその声に目を大きく見開き、顔を上げた。

「生きるんだ!!」

(ルビ)が必死に叫んだ。

「私…。」
「お前だけでも!」
「私だけ…?」
「そうだ。生きろ。」


「いや…いやー!!死なせてー!!」


ハッ!!
天音は布団をはぎとり、思わず飛び起きた。

「はぁ、はぁ、夢…?」

額には汗がしたたり、心臓がいつもより早く脈打っているのが、はっきりと分かった。
天音はこの所、毎朝のように夢にうなされて目が覚める。
なぜ、毎日このような不可思議な夢を見るのか…。
それは天音には見当もつかなかった。