「連れてきたでー!!」
りんは、辰を人気のない裏山の麓(ふもと)に連れて来た。
りんに、天音の事で話があると言われ、辰は渋々連れられて来ていたのだ。
「…。」
しかし辰は、その人物を見るなり、眉間にしわをよせた。
「いやー、シドが町の見回り中でよかったわー。」
そんな辰に構わず、りんは呑気にそんな事を言った。
「お前…。」
辰はその男の顔を見て、思わず言葉を漏らした。
(この男は確か反乱軍の…。)
「俺はシド。反乱軍のリーダーだ。辰、あんたに頼みがある!」
シドは真っすぐと辰を見て言葉を投げかけた。
「あんたしかいない!一緒に戦ってくれ!」
シドの真っすぐな目は、ただただ、辰に向けられていた。
シドは、辰ならば反乱軍をひっぱってくれ、率いてくれると考えていた。
彼がいればこの戦いに必ず勝利できると。
「断る…。」
しかし、辰からすぐに発っせられたのは、断りの言葉だった。
そして、辰は彼の真っすぐな視線から逃げるように、目を伏せた。
「俺は知ってる。あんたが昔の戦いでどれだけ貢献したか!俺達には、あんたが必要なんだよ。」
シドは必死に訴える。
どうしても彼の力が必要なのだと。
「…俺はもう、戦いには出ない…。」
しかし、辰の思いは、そう簡単には変わらない。
「だからって、兵士として、この国を守るのか?」
シドは奥歯を噛みしめ、そんな言葉を漏らした。
自分の憧れた人物が、今は国のためにただの兵士として成り下がっているのが、どうしても許せなかった。
(どうして彼は兵士に…。)
「この国を変えて欲しい人がいる。」
辰が顔を上げ、シドを真っすぐと見据えた。
りんは、辰を人気のない裏山の麓(ふもと)に連れて来た。
りんに、天音の事で話があると言われ、辰は渋々連れられて来ていたのだ。
「…。」
しかし辰は、その人物を見るなり、眉間にしわをよせた。
「いやー、シドが町の見回り中でよかったわー。」
そんな辰に構わず、りんは呑気にそんな事を言った。
「お前…。」
辰はその男の顔を見て、思わず言葉を漏らした。
(この男は確か反乱軍の…。)
「俺はシド。反乱軍のリーダーだ。辰、あんたに頼みがある!」
シドは真っすぐと辰を見て言葉を投げかけた。
「あんたしかいない!一緒に戦ってくれ!」
シドの真っすぐな目は、ただただ、辰に向けられていた。
シドは、辰ならば反乱軍をひっぱってくれ、率いてくれると考えていた。
彼がいればこの戦いに必ず勝利できると。
「断る…。」
しかし、辰からすぐに発っせられたのは、断りの言葉だった。
そして、辰は彼の真っすぐな視線から逃げるように、目を伏せた。
「俺は知ってる。あんたが昔の戦いでどれだけ貢献したか!俺達には、あんたが必要なんだよ。」
シドは必死に訴える。
どうしても彼の力が必要なのだと。
「…俺はもう、戦いには出ない…。」
しかし、辰の思いは、そう簡単には変わらない。
「だからって、兵士として、この国を守るのか?」
シドは奥歯を噛みしめ、そんな言葉を漏らした。
自分の憧れた人物が、今は国のためにただの兵士として成り下がっているのが、どうしても許せなかった。
(どうして彼は兵士に…。)
「この国を変えて欲しい人がいる。」
辰が顔を上げ、シドを真っすぐと見据えた。

