「なんで、こんなに人多いの?」
天音は、そんな素っ頓狂な疑問をすぐに口にし、りん達へ投げかけた。
「演説よ。天師教の。」
「天使教さん…の…?」
その問いに、真っ先に答えたのはかずさだった。
一方のりんは、この状況を見て、何を言っているのか…と戸惑いの顔を浮かべ、声が出せずにいた。
天音は、ついさっきまで心ここにあらずだったため、部屋での華子の話もほとんど耳に入っていなかったようだ。
しかし、今は違う。
かずさの言葉は、しっかりと彼女の耳に入ってきている。
「反乱軍討伐の演説よ。」
「反乱軍…。」
かずさはもう一度丁寧にそう説明した。
そして、天音は神妙な面持ちで、その言葉を繰り返した。
「…あ、天音は見てなかったんか…?」
ここで、やっと自分を立て直したりんは、意を決して天音に恐る恐る聞いてみた。
どうやら、今の彼女の精神状態は落ち着いていて、この町へ帰ってきたあの日の彼女とは違う。
あの日のように取り乱す事はなさそうだという結論が、りんの背中を押した。
「え、うん。見てないよ。だって今ここに来たばっかりだもん。」
「…そうか。」
その言葉にりんはホッと胸をなでおろし、安堵の表情を見せた。
もし、あの場に天音がいたら…。
「ふざけんな…。」
そんな天音の背後から、聞き覚えのあるドスのきいた声がした。
「な!おま!!」
りんは、こちらに鬼の形相で向かってくる、その人物に目を見張る。
「月斗…?」
もちろん天音も彼の姿を捉え、困惑の視線を送る。
殺気だった月斗が睨みをきかせ、こちらへ一直線へ向かってきていた。
幸い広場には、人もだいぶ少なくなってきて、月斗はフードを深くかぶっていて、周りの人には気づかれていないようだ。
天音は、そんな素っ頓狂な疑問をすぐに口にし、りん達へ投げかけた。
「演説よ。天師教の。」
「天使教さん…の…?」
その問いに、真っ先に答えたのはかずさだった。
一方のりんは、この状況を見て、何を言っているのか…と戸惑いの顔を浮かべ、声が出せずにいた。
天音は、ついさっきまで心ここにあらずだったため、部屋での華子の話もほとんど耳に入っていなかったようだ。
しかし、今は違う。
かずさの言葉は、しっかりと彼女の耳に入ってきている。
「反乱軍討伐の演説よ。」
「反乱軍…。」
かずさはもう一度丁寧にそう説明した。
そして、天音は神妙な面持ちで、その言葉を繰り返した。
「…あ、天音は見てなかったんか…?」
ここで、やっと自分を立て直したりんは、意を決して天音に恐る恐る聞いてみた。
どうやら、今の彼女の精神状態は落ち着いていて、この町へ帰ってきたあの日の彼女とは違う。
あの日のように取り乱す事はなさそうだという結論が、りんの背中を押した。
「え、うん。見てないよ。だって今ここに来たばっかりだもん。」
「…そうか。」
その言葉にりんはホッと胸をなでおろし、安堵の表情を見せた。
もし、あの場に天音がいたら…。
「ふざけんな…。」
そんな天音の背後から、聞き覚えのあるドスのきいた声がした。
「な!おま!!」
りんは、こちらに鬼の形相で向かってくる、その人物に目を見張る。
「月斗…?」
もちろん天音も彼の姿を捉え、困惑の視線を送る。
殺気だった月斗が睨みをきかせ、こちらへ一直線へ向かってきていた。
幸い広場には、人もだいぶ少なくなってきて、月斗はフードを深くかぶっていて、周りの人には気づかれていないようだ。

