何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】


「先程の者は、天師教様にあらず。」

宰相がマイクに向かって話し始めた。
それは、苦し紛れの嘘…。

「どういう事だ?」
「偽物って事か?」

しかし、民衆達は何が何だかわからなかず、ざわつき始めた。
無理もない、さっきまでそこに立って演説していた男は、天使教ではないなどと言われ、誰が信じるというのだろうか。

「は?」

もちろんりんも、その疑いに眉間にシワをよせた。
そう、彼は知っている。真実を…。

(あれは紛れもなく、天使教、京司やろ!)