「先程の者は、天師教様にあらず。」 宰相がマイクに向かって話し始めた。 それは、苦し紛れの嘘…。 「どういう事だ?」 「偽物って事か?」 しかし、民衆達は何が何だかわからなかず、ざわつき始めた。 無理もない、さっきまでそこに立って演説していた男は、天使教ではないなどと言われ、誰が信じるというのだろうか。 「は?」 もちろんりんも、その疑いに眉間にシワをよせた。 そう、彼は知っている。真実を…。 (あれは紛れもなく、天使教、京司やろ!)