ガシッ
「え?」
京司の両腕が、そこに居た護衛の兵士二人に捕まれた。
「な、離せよ!!」
京司はその場で、まだ自由のきく足をバタバタさせながら、暴れ出し叫びだした。
しかし、京司よりも一回りも大きい兵士のその力は強く、京司は宙づり状態になった。そして、その腕は簡単には離してくれるわけがない。
「やはり…あなたには無理でしたか…。」
部屋の奥の方に居たはずの宰相が、ポツリとつぶやいた。
その瞬間、京司は兵士にひっぱられ、部屋の奥へと引きずりこまれた。
そして、容赦ない兵士達に床に押し倒され、腕を拘束される始末。
「はなせって!」
京司は、抵抗するものの、毎日訓練に明け暮れている兵士の力には適わない。
カツカツ
そんな京司の横を宰相が通り過ぎ、バルコニーへと向かった。
「皆の者…。」
すると宰相がマイクに向かって話し始めた。

