次の日
「こんな所でお勉強ですか?」
宰相が書庫にこもっていた、京司の元へと足を運んでいた。
彼の座る机の上には、たくさんの本が積まれていて、その中の一冊を京司はつまらなそうにペラペラとめくっていた。
「ふーん。珍しいから見に来たのか?」
宰相の口からはいつものように、皮肉しか出ない。
宰相とまともに話ても仕方ない。
今では、そう諦めるしかなかった。
「どうするおつもりで戻られたのか、まだ聞いていなかったので…。」
宰相もまた、京司の真意を知りたかった。
彼が何のために戻って来たのか。
「お前もかよ…。」
京司はうんざりした顔を見せる。
(ここに居座るつもりなら余計な事をするな。)
そんな宰相の心の声は、京司には手に取るようにわかる。
「石見つけたいんだろう?」
京司は、パラパラとページをめくる手を止める事はなく、宰相の方など一切見ない。
「…それを調べていらっしゃるのですか?」
「どうせ、それがお前らが俺を手放さない理由なんだろ。心配すんな。お望み通り探してやるよ。」
(こんな所で捨てられてたまるか。俺はまだ何も…。)
「これはこれは、頼もしいですな。」
わざとらしくそんな風に言ってみせた宰相は、黒い笑みを浮かべる。
やはり、京司を手放したくない彼がそう言って京司に媚びを売る姿に、京司は嫌気を通り越して、無関心をきめこんだ。
「こんな所でお勉強ですか?」
宰相が書庫にこもっていた、京司の元へと足を運んでいた。
彼の座る机の上には、たくさんの本が積まれていて、その中の一冊を京司はつまらなそうにペラペラとめくっていた。
「ふーん。珍しいから見に来たのか?」
宰相の口からはいつものように、皮肉しか出ない。
宰相とまともに話ても仕方ない。
今では、そう諦めるしかなかった。
「どうするおつもりで戻られたのか、まだ聞いていなかったので…。」
宰相もまた、京司の真意を知りたかった。
彼が何のために戻って来たのか。
「お前もかよ…。」
京司はうんざりした顔を見せる。
(ここに居座るつもりなら余計な事をするな。)
そんな宰相の心の声は、京司には手に取るようにわかる。
「石見つけたいんだろう?」
京司は、パラパラとページをめくる手を止める事はなく、宰相の方など一切見ない。
「…それを調べていらっしゃるのですか?」
「どうせ、それがお前らが俺を手放さない理由なんだろ。心配すんな。お望み通り探してやるよ。」
(こんな所で捨てられてたまるか。俺はまだ何も…。)
「これはこれは、頼もしいですな。」
わざとらしくそんな風に言ってみせた宰相は、黒い笑みを浮かべる。
やはり、京司を手放したくない彼がそう言って京司に媚びを売る姿に、京司は嫌気を通り越して、無関心をきめこんだ。

