「悪いなシド。わいらには、わいらの仕事があるよって。」
りんの瞳が真っ直ぐ前を見据えた。
そんな彼の姿にシドは釘付けになる。
(彼の視線のその先に見えるものは何なのか…。)
「…それは…。」
(それはアイツと同じか…?)
しかしシドは、それ以上は言葉にはしなかった。
りんは瞳を伏せ、そのまま馬にまたがった。
「天音。後ろ乗り。」
そう言って、りんが天音に手を差し伸べ、天音はその手を取った。
「あの、シド…ありがとう。」
天音は、りんの突拍子もない行動に観念したのか、シドにお礼を言って、りんの後ろに乗った。
天音がここに居たのはほんの数日だったが、ここに居て様々な事が見えてきた。
この国について考えるようになった。
「…ああ。」
シドも、もう反論する事をやめ、ただ一言そう答えた。
もう、何を言っても無駄なのだと悟ったようだ。
「あんたらにしかできない事やりーな!!」
そう言って、勢いよくりんは馬を走らせた。
そして、シドは二人が見えなくなるまで、そこで見送った。
「…どいつもこいつも自分勝手…。まあ、今の時代めずらしいか…。」
そう言ってシドは笑った。
りんの瞳が真っ直ぐ前を見据えた。
そんな彼の姿にシドは釘付けになる。
(彼の視線のその先に見えるものは何なのか…。)
「…それは…。」
(それはアイツと同じか…?)
しかしシドは、それ以上は言葉にはしなかった。
りんは瞳を伏せ、そのまま馬にまたがった。
「天音。後ろ乗り。」
そう言って、りんが天音に手を差し伸べ、天音はその手を取った。
「あの、シド…ありがとう。」
天音は、りんの突拍子もない行動に観念したのか、シドにお礼を言って、りんの後ろに乗った。
天音がここに居たのはほんの数日だったが、ここに居て様々な事が見えてきた。
この国について考えるようになった。
「…ああ。」
シドも、もう反論する事をやめ、ただ一言そう答えた。
もう、何を言っても無駄なのだと悟ったようだ。
「あんたらにしかできない事やりーな!!」
そう言って、勢いよくりんは馬を走らせた。
そして、シドは二人が見えなくなるまで、そこで見送った。
「…どいつもこいつも自分勝手…。まあ、今の時代めずらしいか…。」
そう言ってシドは笑った。

