「あーつまんない!!」

華子が大声を上げて床に寝転んだ。

「突然、天師教様と会うのが延期になったし!」

京司はいなくなった。

「天音もどっか行っちゃったし!」

天音もいなくなった。

「…だって天師教はもういないんだから…。」

星羅がボソッとつぶやいた。
そう、星羅には分かっていた。
彼にこの城は似合わない。自由に外を駆け回る彼の姿を知っていたから。

「ん?」

華子が寝転がったまま、星羅を見上げた。