「月斗、最後の言葉を聞こう。」
刑を執行するであろう兵士が、月斗に聞いた。
「お前ら聞け―!!!」
すると突然、月斗は顔を上げて、自分よりも低い場所にいる民衆に向かって叫んだ。
そして辺りはシンと静まり返った。
「俺は祈る事も、神に頼る事もしねーよ。」
月斗がゆっくりと言葉を紡いでいく。
そして、なぜか彼の言葉に、みなが釘付けになっていた。
「—————俺が信じるのは自分だけだ。」
タッタッタッ
すると、月斗が走り出した。
「しま!!」
兵士は気が緩み、手錠を持つ手の力を緩めてしまっていた。
タン

