「あの人、なんでそんな花火が好きなんだろう?」 華子が空に上がる花火を見上げながら、ふとつぶやいた。 「ちがうよ。」 天音もまた、再度天を仰いだ。 涙がこれ以上頬をつたわないように。 「伝えたい事があるんだよ。」 そして、潤んだ天音のその瞳には、空に高く上がる花火が映っていた。 「天音…。」 星羅は、そんな天音の方をじっと見つめていた。