何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】

「月斗…。」

バルコニーに釘付けの天音がまた、小さくその名を呼んだ。


ヒューバーン



「え…?」



ヒューバンバン


その爆音に、そこにいた人々はみな空を見上げた。
そして、天音も…。

ポタ
その瞬間、なぜだか天音の頬に涙がつたった。



空にはたくさんの花火が打ち上げられ、赤く染められた空に彩りを加えた。