カツカツ その足音が、ゆっくりとバルコニーへと向かった。 月斗は手錠をはめられたまま、兵士に先導され、その場所まで連れられて来た。 「早く来い!」 兵士がノロノロと歩く月斗を大声で促した。 「…。」 月斗が一歩、また一歩と足を前に出す。 「最後にお前の望み通りのものを用意した。」