何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】


カツカツ
その足音が、ゆっくりとバルコニーへと向かった。
月斗は手錠をはめられたまま、兵士に先導され、その場所まで連れられて来た。

「早く来い!」

兵士がノロノロと歩く月斗を大声で促した。

「…。」

月斗が一歩、また一歩と足を前に出す。


「最後にお前の望み通りのものを用意した。」