何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】

「月斗が死刑になるぞー!!」

その話題はあっという間に町中に伝わった。

「死刑か!」
「明日の夕刻だ!!」

それは、突然の告知。
今の混乱をなんとか収めようとする、国の考えによるものだった。
明日の夕刻、月斗は城のバルコニーで、民衆達の目の前で首を切り落とされる事になる。
それは、まるで見せしめのように。

「神の裁きがくだる!」

やはり、この国はそう簡単には変わらない。
天師教に歯向かう者は、切り捨てられる。
ソレを示す事でしか、人々を制圧する事ができないのだ。