「死刑…?」
京司が官吏から発せられたその言葉に、顔を歪めた。
「ハイ。」
京司にも、月斗の死刑の知らせは、すぐ様伝えられていた。
「ちょっと待て!なんで俺に何の相談もなく!」
「ご相談するまでもないでしょう。」
官吏の隣で、宰相が冷たく言い放つ。
「民の言葉に耳を傾けず、お前らはただコントロールするだけか!!」
居てもたってもいられなくなった京司は、大声を上げ叫び、机を叩いた。
(この国は、いつからこうなった?)
「犯罪者の肩を持つのですか?」
「ちがう!そういう事じゃねーだろう!」
「国を治めるという事は、こういう事なのです。天師教様。」
宰相の冷たい視線に、京司は思わずゾクリと肩を震わせ押し黙った。
(彼らに何を言っても無駄だ…。)
京司は、それを否が応でもわかってしまったのだ。
この国はもう…。

