「明日は満月…?」 青が小さな声で尋ねた。 「…ええ。」 隣にいたかずさが、静かに頷いた。 「天音を救うのは、やっぱり僕じゃなかった。」 「…。」 「…この笛を使う事は、きっと一度もない。」 ポト 青の力ない手から、笛が床へと落ちた。 「あなたには、足りないものがあるわ。」 かずさが青に向かって、真剣な眼差しを向けた。 「それは…光…?」 そして、青がまた力なく答える。 「ちがうわ…。」 「じゃあ何…?」