「ヘックション!!」
月斗が急に大きなくしゃみをした。
さすがの月斗も、この頃の寒さには、耐えがたいものがあった。
もちろんここに毛布など、暖をとるものは一切ない。
「…聞いてるの?」
かずさは、まったく興味を示さない月斗に、思わずそんな言葉を投げかけた。
「どーでもいいけど。」
彼女の告白を聞いても、月斗の態度は一切変わらない。
「…そうね。どーでもいいわ。この国の未来も他人の未来も…。」
「あっそ。」
かずさが投げやりに吐いた言葉にも、月斗はやっぱりそっけなく答えるだけ。
「…あなたもうすぐ死ぬわよ。」
そして、かずさがまた小さくポツリとつぶやいた。
「へー。それが予言ってやつ?」
月斗は少しだけ興味を持ったのか、かずさのその言葉には反応を示した。
「…ええ。」
「ハハハハ!」
すると、突然月斗が声を上げて笑い出した。
「…何がおかしいの?」
かずさは、彼の背をただ見下ろし、眉をひそめた。
「んなもん変えてやるよ。俺の未来は俺のもんだからな。」
「…。」
カツカツ
そして、かずさは黙ってその場を去った。

