「あの…。あなたは…。」
未だ戸惑いを隠せない天音は、彼女よりも先に質問を投げかけた。
自分がなぜここに呼ばれたのか。彼女は一体何者なのか。
わからないことばかりで、気持ちは落ち着かない。
「私は天師教の母です。」
「え…。」
皇后は包み隠さず、天音に真実を告げた。
そうでなければ、彼女と対等に話はできないと思ったから。
しかし、その言葉に天音は固まった。
(この人が天師教さんのお母さん…?)
まさか、その人が今、目の前にいるなんて思ってもみなかった。
「あなたは、なぜ妃になりたいのですか?」
皇后の凛とした瞳は、真っ直ぐと天音を捕らえ、離そうとしない。
「それは…。」
しかし、天音の目は泳ぎ、わかりやすく言葉に詰まった。

