「お…前…。」
目の前に立つ人物に、シドは固まったまま動かなくなり、目を大きく見開いて見せた。
「よー、シド!わいを仲間にしてくれへんか?」
シドの前にふらっと現れたのは、今日もニカッと笑うりんだった。
城下町を出たりんは、反乱軍の本拠地を訪れていた。
「…どうして、ここに来たんだ。」
あの時は断ったはずのりんが、なぜここまで来たのか。シドは頭の整理がつかない。
「やっぱ、わいは見てるだけは、性に合わへんからなー。」
そう言ってりんは、悪戯っぽく笑って見せた。
ウジウジ悩んでいるのは、自分には似合わない。
そう考えたりんは、行動に移すことにした。
反乱軍と行動を共にする事を、国と敵対する事を彼は選んだのだ。

