「おっさん!!」 りんは、人々を救護している辰を見つけて、思わず駆け寄る。 今、頼れるのは城の兵士である辰だけだ。 「どうした?」 りんの焦った様子に、辰はただ事ではない事を瞬時に感じ取った。 「天音がおらん!!」 「何?」 りんの言い放った言葉に、辰が眉間にしわを寄せた。 「まだ城の中におるかもしれん…。」 そして、りんが神妙な面持ちで辰を見た。