何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】


「天音。」

(…え?)

「生きろ。」


(まただ…。またこの夢…。)
天音は頭の中で理解をしていた。これは、以前も見た夢だと。

(この声は一体誰?)


「お前は生きろ…。」


パッ


すると、場面は変わり、急に辺りが闇に包まれた。



「おかーさん!!!」



一人の少女が必死に叫んでいた。
そして、彼女は母親を探しているようだ。

(これは…私?)

「嫌だ!!死なないで!!」

ボ―

(燃えてる…。)

すると、少女の周りは瞬く間に炎に包まれた。

「天音…生きて…。」


(そうだ…あの時燃えたんだ…。全部…。)


「石を…さがして…。」


ボー

炎はますます強くなるばかり。



「やだー!!おかーさん!!」



(そうだ。私の家も、お母さんも全部燃えた…。


…そして、私は————?)