何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】

「なんで天音に会った…。」

彼が真面目に答える気がないのは、明らか。
すると、月斗は次の話題へと移った。

「天音が僕を見つけてくれたから。彼女は僕の憧れだったんだ。」
「…アイツとどこで会った?」
「あんたの知らない場所。」

珍しく青は月斗の問いに淡々と答えていく。

「は?」

しかし、月斗は青のその不可解な答えを全く理解できずに、眉をひそめた。

「あんたのいない世界。」
「…アイツにもう関わるな。」

月斗は、その事をどうしても青に伝えたかった。
月斗は今も青が天音と関わる事を避けようとしていた。

「どうして、お前にそんな事言われなきゃいけないわけ…。」

青がさらに声を低くした。

「いいか、アイツは…。」
「天音は僕の光なんだ…。」

青は、月斗を黙らせるかのように、彼の言葉にかぶせて口を開く。