愛を教えて欲しくない


つけっぱなしだったはずのテレビは消されていて、テーブルに置かれたままだった空っぽの白いお皿は鮮やかな色で埋め尽くされている。


テーブルの上に置かれたメモに目をやると、女の人が書いたような綺麗な字で『家に帰ります。オムライス作ったから夜ご飯に食べてね。お礼は明日でいいよ』と書かれていた。


手紙の通り、書き主の姿はどこにも見当たらなくて、あんなに部屋に留まりたがってたのに手紙ひとつで帰るんだ。まあいいけど。

昼過ぎにくると言っていた那緒と恋の姿も見当たらないし、連絡が来てたかもしれないと思って手に持ってたスマホの通知欄をみた。

那緒から何件かLINEがきていたことを確認してトークをひらけば{今いくね}という文字に少し罪悪感が募って、すぐに{ごめん寝てた}と打って送る。


さてどうしようかとスマホを机に置こうとしたとき、ブーとバイブ音がなったのにスマホを改めてみると、{いいよ。許してあげる}の文字。

なんでちょっと偉そうなんだよと思いながらも久しぶりの那緒とのLINEに頬は自然と緩んでいた。

{あ、写真。送るね}

立て続けに送られてきた文の内容に写真?と首を傾げると、宣言通りすぐに一枚の写真が送られてきた写真に思わずギョッとする。