「あんず。いっつも、思ってるのか?」



言いながらあらたが触れるのは、左耳のパールのピアス。



あたしを見下ろす目元が、優しい。



「ん。」



大きく頷くのに躊躇して、曖昧に返事をすれば。



「俺はいっつも、思ってんだけど、な?あんずは、そうじゃないのかなー?」



分かって、いるくせに。



あたしはイジワルな笑みから、目をそらせない。



ちゅ。リップノイズ付きの軽いくちづけを、あたしに落としてくれた。



「な?あんずは?」



左耳に触れ続けているあらたは、またあたしに聞く。




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