「今、つけていかれますよねっ?!ぜひ、つけていってくださいね!!」
あたしの左耳に収まった、大ぶりのパールのピアス。
鏡で確認して、なんだか恥ずかしくなる。
「とっても、お似合いです~!今度はお2人でいらしてくださいね~」
お店の出口まで、わざわざ見送ってくれたお姉さんに苦笑しながら、家への道を歩いた。
そうして、お風呂掃除やらご飯の支度をしたりして、あらたの帰りを待つうちに、すっかり忘れてしまったのだ。
本当は、あらたが帰る前に外そうと思っていた、パールのピアス。
目ざといあらたが、見逃すはずが、ない。
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