「なんだか、いつもにも増して…」




続きを言うのが、恥ずかしくて思わず、言葉を濁せば。



「いつもにも増して、どうした?」



ん?続きを促すあらたは、やっぱりイジワルだ。



「…は、激しかったからッ……」



なんとか言い切って、下を向いた。



「ってか、誘ったのはあんずの方だろ。こんなもん、見せつけられて何にもしなかったら、そっちの方が失礼だろ。」



言いながら、あらたが触れたのはあたしの左耳。



その瞬間、一瞬にして思い出したのは、今日の昼間のこと。





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