ムボウビハート




 「…あんず、あんず…」



シャツの裾から入り込んでくる、あらたの指先。



カラダのどこを触れられても、気持ちがいい。



そうしていつも、あらたはあたしのココロの中まで触れるんだ。



優しい温度と柔らかな優しさで。



目を閉じる。



恥ずかしい位に頭の中に響いているのは、あらたを呼ぶ自分の声。



上がる息、汗ばむカラダ、あらたを求める指。



そのどれもがあたし自身で。



あたしはあらたの、もの。



あらたもあたしの、もの。



あたしのシアワセ。



あらたのシアワセ。



2人の、シアワセ。




.