「あんずに、似合うと思って。ほら、一緒に選んだあの、白いコートにも合うだろうし。そんなに高くなかったし、な。」
いつもより、饒舌なのは照れ隠しのせい。
それくらい、あたし気がついているよ?
思いがけない、あらたからのプレゼントは、黒地に大きめのパールがたっぷりの可愛いりぼんがついた、手袋で。
「俺が隣に居ないときは、それで暖まっとけ。」
またも重ねられた照れ隠しが、とてつもなく、嬉しくて。
たぶん。
いや、絶対にあらたもあたしと同じことを考えていてくれたんだ。
そう思うとまた更に、嬉しさは募ってゆく。
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