「あらた、さっきからなんか、変だよ?どうしたの?」



その顔を窺えば。



「…おー、なんか今日さ、記念日でもなんでもないんだけど、さ?」



歯切れ悪いコトバと共に、あらたがソファーの裏から取り出したのは、可愛いピンク色の包装紙に包まれたかたまり。



「開けてみ?」



たった一言、そんな風に呟きながら、あたしの手に包みを押し込んで、そっぽを向いてしまった。



軽く、柔らかな感触に後押しされるように、ゆっくり開けた中味は……、



「…あらた…、これ、あたしに?」



「そうに決まってんだろ。俺がつけてどーすんだよ。」



柔らかく微笑んだのは優しい、あらた。




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