「…っ!あらた!やだやだやだ!!」
その腰に抱き付いて、口をついた懇願は、まるで小さな子どものようで、自分でも呆れてしまうけれど、しょうがない。
だって、あたし…。
「おー、どうしたあんず。goodgirl」
あたしの頭を撫でてくれる右手は、いつもの温かさで、その事実にココロからほっとする。
「どうした?」
もう一度問われた。
でもやっぱり、声音は優しい。
その優しい音色に後押しされて、ゆっくり顔を上げた。
目つきの悪さは相変わらず。
でもあたしは、その本当の優しさを知っている。
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