ムボウビハート




 永い永いくちづけの後、あたしを体から少し離したあらたは、顎に置いた人差し指の先で、あたしを上向かせた。



「あんず。顔、見せてくれ。俺を見てくれ。」



痛切な響きを持った、あらたの声音。



顔を洗っていたらしい あらたの前髪から、雫が流れてあたしのくちびるを濡らした。


「…ん…、」



小さな吐息は、雫を吸い取ったあらたのくちびるの熱に再度、捕まったせい。



暫く続いた甘く強いくちづけは、あたしのなけなしの理性を奪ってゆく。



腰砕けになって、もつれ込むようにあらたと2人、洗面台の前に座り込んだ。



「…あらた…、もっと…やめたら、…やだ…、」





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