「ただいま、あらた。」 言いながら、リビングのドアをあける瞬間はいつも、とても嬉しい。 大切な相手が、待っていてくれるシアワセは、何にも代え難い。 いつもだったら、 「お帰り。」 言いながら、あたしを迎えてくれる、あらたの姿が見あたらない。 作品を仕上げているのだろうか? それとも、気分転換の散歩かな? でも、散歩用のスニーカーは、玄関に綺麗に揃えてあったな。 思いながら、あらたの姿を捜した。 .