「よし、よし。いい子だ。あんずは。」 言いながら、あたしの頭を撫でてくれるリズムは、優しく暖かで。 ほんの少しだけ、淋しくなってしまったココロを、包んでくれた。 ありがと、あらた。 小さな声で呟けば。 俺のほーこそ? 照れ隠しが混じる、柔らかな声音が降ってきた。 大丈夫。ふと、淋しくなってしまったのは、秋風のせい。 隣にあらたが居てくれる、春夏秋冬。 どんな季節も、あらたと過ごせれば、それだけでいい。 .