また2人、1つの傘に入ってどしゃ降りの雨の中を、歩く。
「無くなったあの、ビニール傘。」
「うん?」
ボソッと呟いた言葉に、優しい相槌。
「ちゃんと、雫を防いでいるかな?」
隣のあらたに問い掛けた。
「途中で破けてびしょ濡れ、だな。人の傘を勝手に持ってたんだから、天罰だ。天罰。」
そんな風に話す、あらたの横顔を眺めた。
「もー、あらたってば、イジワルだなぁ。男のひとかな?それとも女のはひと?あ!あたしたちみたいにカップルかも、ね?」
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