しとしと、と、雨が降る中をあらたと2人、1つのビニール傘の下に入って黙って歩く。 雨の音。 あらたとあたしの水分を含んだ、足音。 晴れた日とは違う足音に感じるのは、緩やかなシアワセ。 朝、10時。 遅い朝ご飯にありつくために、2人のお気に入りのカフェに入った。 ドア横の傘立てには既に、2本のビニール傘。 そこに並べて置いた、あらたとあたしの1本の傘。 .