息を止めて、ナスに向かい合う。


そんな俺の様子を見ていたあんずは、


「あたしも一緒に、食べよ。」


小さく呟いて、箸に手を伸ばした。


「じゃあ、俺がよそってやるよ。」


チャンス!とばかりに、あんずの取り皿に、ナスをてんこ盛りにして手渡せば。



「わ、あらたありがとう!嬉しい!!」


俺の姑息な作戦なんか、全く気がつく様子もなく、嬉しがるあんず。


おッ前は本当に!!


心で思って、ガツガツとナスを平らげた。








「次は、あんずを食うからな。」


「……はい。」


って、顔を赤らめるなよ!チキショー!!可愛い。




  『カワイイハート』



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