わかってんだよ、とっくに。 あんた、あれだろ。あんずの、『元カレ』だろ。 「…あの、私のこと彼女から、聞いているでしょう…?」 確信にも似た質問は、俺を更にイライラさせる。 なんで俺が、あんたと同じベンチに座ってなきゃなんねーんだよ。 どの面下げて、ここまで来たんだよ。 フツーのおっさんじゃねーか。 「……あの…」 またも、話を繋げようとする男に、我慢も限界だ。 立ち上がりかけた、その時。 .