「あの絵、あなたが描かれたんですよね?初めて見たとき、すぐにわかりましたよ。妻と見たんですけど、2人であまりの綺麗さに言葉を失いました。」
男の膝の上に組まれた、指先。
左手薬指に鈍く光る、シルバーリング。
「先週も、雨が降った日があったでしょう?貰ったチケットが、たまたま2枚あったので、雨宿りも兼ねて入ったんですよ。」
そうしたら、最後の最後にこんなに素敵な絵に出会えて、本当に嬉しかったんです。
これも、何かの縁だと思って。
ぺらぺらと喋る、隣の男に圧倒され気味だ。
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