俺が描いたあんず。 その絵の脇に置いてあるベンチに、独りで座っている。 窓の外は、相変わらずの、雨。 こんな天気のせいで、客足もまばらだ。 客の相手をするようにと、仰せつかっているが、話しかけてくる客も、いない。 あんずと、外の雨をただただ、ぼうっと眺め続けた。 .