ひんやりとした、室内。 灯りが落とされた、薄暗い空間にライトに照らされた、あんずがいる。 俺が心に焼き付けていた、あんずが。 無我夢中で、一気に描き上げたあんずの姿は、大きな絵画展の最優秀作品に選ばれた。 夢が、叶った。 やっと、叶ったのに隣にあんずがいないなんて。 俺は、馬鹿だ。 .