「何だ。ルームサービスかと思ったら、お前か」
「夜分にすみません。例の件の書類、戻り次第いち早く届けろとのことだったので、直接こちらにお持ちしました」
「そうか、ご苦労だったな。まぁ、立ち話も何だから、入れよ」
黒川は、声の主を中へと促す。
どくん、と、鼓動が大きく脈打った。
「実は今回の取引で先方から」
言いながら室内へと入ってきた高槻は、一糸まとわぬ姿でベッドにいる彩に気付き、目を見開いた。
しばしの後、困惑を隠さないその視線をゆっくりと黒川へ向ける。
「『Rondo』の彩だよ。お前も知ってるだろう?」
へらへらと笑いながら、黒川は言った。
彩はその嘲笑から逃げるように顔を逸らす。
「金のためなら誰にだって股開くバカな女だ」
その通りだから反論はない。
遅かれ早かれ、いつかは高槻に知られるだろうとは思っていた。
それが今で、そしてこの最悪なタイミングだっただけ。
「そうだ。お前も出張で疲れて、溜まってるだろう? 契約取ってきた褒美だよ。この女とヤルか? ほら」
言いながら、黒川は、顔を背ける彩の顎を掴み、無理やり高槻の方へと向けた。
黒川によってつけられたたくさんの痕が、高槻の前であらわになる。
高槻の視線を全身で浴び、彩は唇を噛み締めた。
「夜分にすみません。例の件の書類、戻り次第いち早く届けろとのことだったので、直接こちらにお持ちしました」
「そうか、ご苦労だったな。まぁ、立ち話も何だから、入れよ」
黒川は、声の主を中へと促す。
どくん、と、鼓動が大きく脈打った。
「実は今回の取引で先方から」
言いながら室内へと入ってきた高槻は、一糸まとわぬ姿でベッドにいる彩に気付き、目を見開いた。
しばしの後、困惑を隠さないその視線をゆっくりと黒川へ向ける。
「『Rondo』の彩だよ。お前も知ってるだろう?」
へらへらと笑いながら、黒川は言った。
彩はその嘲笑から逃げるように顔を逸らす。
「金のためなら誰にだって股開くバカな女だ」
その通りだから反論はない。
遅かれ早かれ、いつかは高槻に知られるだろうとは思っていた。
それが今で、そしてこの最悪なタイミングだっただけ。
「そうだ。お前も出張で疲れて、溜まってるだろう? 契約取ってきた褒美だよ。この女とヤルか? ほら」
言いながら、黒川は、顔を背ける彩の顎を掴み、無理やり高槻の方へと向けた。
黒川によってつけられたたくさんの痕が、高槻の前であらわになる。
高槻の視線を全身で浴び、彩は唇を噛み締めた。



