家に着き先に沈黙を破ったのは雅斗だった。


『…お前さぁ…馬鹿だろ……ハァ…何であれくらいで顔真っ赤にしてんだよ!…好きでもないくせに相手に変な期待させんなよ!』



プッチイーン

私の中で何かが切れる音がした。


なにそれ心配してくれたわけじゃないんだ…そうだよね…あの雅斗が心配なんかするわけないよね…でもすごくムカつく!


「…そうだね…変な期待させたら可哀相だね…でもそういうのに面識のないあたしには赤くなるななんて無理だよ……あっそれともあの男の子に妬いてんの?あたしが告られたから!」

…そんなわけないのに馬鹿じゃんあたし…何期待してるんだろう…


『…だよ…』

雅斗の言葉がうまく聞き取れなくて聞き返した。
「へっ?」

『…だから!なんでそーゆ事言うんだよ!そっそっそっ…そんなわけないだろ!』

…だよねぇ…雅斗だもん…ありえないよ…


「ジョークだよ!何焦ってんの?馬鹿じゃん。ぢゃーね!」
にげるように私は家の中に入った。


『ちょ…お前…待てよ!』
もちろんそんな雅斗の声を無視して…