教室につくと朝早いからか,誰もいなかった。
でもそれがちょうど良かったかもしれない,
今の私はとてつもなく赤面しているだろう。
「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花..」
「何言ってんの?」
「ふぇ!?!?」
びびび、びっくりしたぁ。てか誰この人!?
「あ,驚いた?ごめんごめん」
「え、いや、はぁ……。」
驚くよ。そりゃ……まてよ,
もしかして今の聞かれてたんじゃ…?
「で,何言ってたの?」
ですよねーーーー!!!
「いや,その前にあなたは……?」
「あれ,覚えてない?」
全く覚えがありません。どなたですか?って
声に出しそうになったが堪えて,
「えっと,どこかで会った?」
「昔バレーボール一緒に習ってたじゃん?覚えてない??」
と聞かれ私はハッとした。
「ああああぁぁあ!?!!みどり!?!?」
「ッ──うるせぇな!!そうだよ翠だよ!」
高澤翠。私の幼なじみ(っぽい人)
幼稚園から小学生3年生までずっと一緒に
バレーボールを習っていた。家も近かった。
でも,小4の時翠が引っ越してしまってから
全く気にしたことがなかった。
「わぁ,久しぶりだねぇ!!」
「さっきまで忘れてたやつがよく言うよ…」
本当に久しぶりだなぁ〜懐かしいな〜と
思っているとゴホンと咳払いが聞こえた。
ドアの傍を見ると見たことの無い男子生徒…
(え、だれ)
心の中で呟いていると,翠が慌てながら
その男子生徒の方に近づき,何かをコソコソ話しながらこっちに戻ってきた。
「紹介するよ,こいつ田村夕凪。変な名前だけど仲良くしてやってくれよ!」
「ちょ,変な名前は余計だろ。」
そういった男子生徒…田村さんは
私の方を見てペコッと会釈した。
「は,初めまして!春瀬綾女です。」
「初めまして。」
……。
何だこの間は──ッ!!!!
気まづすぎてどこか逃げたい…。
「あ,あぁ!そうだ,今日提出の課題やった?」
口を開いたのは翠だった。
翠も気まづい空気を感じたのだろう。
必死に空気を変えようとしてくれている。
「あ,俺やってねぇわ。プリント無くしたし,せんせーに貰ってくるわ。」
そう言って田村さんは教室を出ていった。「ごめんな,あいつ愛想わりぃんだよ」
「うん…。」
愛想が悪いって言っても,なんか怒ってた…?
「話戻すけど,さっき言ってたの何?」
「いやッ,あのその…」
なんて説明したらいいのか…。
「別に言いたくないならいいけど、」
「そ、そっかー!!じゃあいいかー!」
私はそういい、翠にニコッと微笑んだ。
「──ッ/////」
「どったの?」
翠が何故か赤面している。
「な、なんでもねーよ!」
「はぁ!?なにそれ!!」
「うるせー!お前早く来たなら朝清掃やっておけよ!!!」
あきれた、早く来たからと言って朝清掃やらせるの?普通。
「やるわけないでしょ!!翠がやりなよ!」
そういうと私は教室を出て外へ向かった。