「瑠々〜!!!!!」
私は瑠々のクラスに行き,
さっきの出来事を瑠々に話していた。
「そっかぁ〜,先輩とぶつかっちゃったのか」
「大丈夫かな!?いじめられたりしないかな!?」
どうしよう、とてつもなく心配になってきた。
「大丈夫って言われたんでしょ〜?なら大丈夫だって!綾女は心配しすぎ!」
「そうかな〜うぅ、、」
今思い返せば,凄いかっこよかったな〜。
ん?まてよ,さっきの人は2年生の先輩。
何故,1年のクラスに……?
「瑠々,なんで2年生が1年生のクラスに来てたんだろう?」
「うーん,明日から先輩は部活が始まるって言うし顧問の先生に用があったとか……?」
顧問……。あっ!5組の担任の工藤先生って
確かサッカー部の顧問だったような!!!
もしかしてあのかっこいい先輩は,
サッカー部なのか!?だとしたら
部活からかっこいいじゃん!!!
って,そんなこと考えてる場合じゃない!
「明日もう一回謝ってくる!」
ついでに何部か聞こーっと!


次の日の朝,私は早めに学校に行った。
理由は特にない。
ただ早く起きてしまって暇だったから
学校に来ただけだった。
「ふわぁ……,朝の学校って眠くなる……」
そりゃ,早起きしたからだろと自分に
ツッコミを入れていると,遠くから

「いいぞーナイス!!!」

と掛け声が聞こえてきた。
なんだろうと思い声のする方向へ行くと
そこにはサッカー部が朝練をしていた。
(わぁ,サッカー部だ〜あ!先輩いるかな!?)
昨日の先輩はきっとサッカー部と
決めつけていたが,ドンピシャ。
その先輩はサッカー部だった。しかも部長。
(だから,工藤先生の所に来てたのか)
全ての謎が解け1人で納得していると,
ボールがすごい勢いで飛んできた。
(やばい,当たる─ッ)
ギュッと目を瞑り,
ボールが来るのを覚悟したが,
いつまで経ってもボールは当たらなかった。
目を開けるとそこには昨日の先輩。
「大丈夫!?ごめんね!」
先輩は1度座り込み靴紐を治してから
素早く立ち上がり,
「大丈夫だった?怪我ない?」
ともう一度確認してきた。
「あ,大丈夫です!あの!昨日ぶつかっちゃって今日も迷惑かけてすいませんでした!!」
「あ!昨日の子か!大丈夫だよ,今回は俺が悪かったよ。じゃあまた!」
と言い先輩は歩いて去っていった。

『立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花』

先輩はこの言葉が良く似合う。
(やばい……めちゃめちゃかっこいいじゃん)
たぶん私は,恋をしたのだろう。